中高生の方らしき質問です。
「音楽学を知らなくても吹奏楽は出来ますよね?」
「理屈じゃなくて、大事なのはどれだけ楽器と向きあったか?」
「どれだけ楽器に息を注いだか?」
じゃないんですか?
とのことでした。
音楽学???
どうやら、ソルフェージュや楽典のことのようでした。
確かに「音楽」であって「音学」ではありません。
ましてやそれが「音が苦」になるようでは困りますね。
仰る通り、楽典・理論を知らなくても吹奏楽・音楽は出来ます。
しかし、吹奏楽やるのに
「どれだけ楽器と付き合ったか」
「どれだけ楽器に息を注いだか」
「練習量が多ければ多いほどいい。」
これは違うと思います。
たくさん練習をする前に正しい向き合い方でなくてはいけません。
楽器の持ち方が違っていたら、アンブッシュアが違っていたら、息はしっかり入りません。
とある高校の吹奏楽部なんですが、夏休みの間ですけれど、毎日のようにダラダラと2時間くらいチューニングしてたことがあります。
この学校ですが、
練習量としては多いです。
楽器と長く接してます。
楽器に息を注ぎ続けてます。
どう思いますか?
好きなように練習(チューニング)してますけれど、上手くなります?
チューニングの意味が全くわかってないですよね。
もしも理論・理屈がわかっていたら、こんな無駄な練習はしないハズです。
もちろん理論・理屈が全てではないですよ。
ただ練習するのにも間違った練習方法でダラダラと延々とただ時間を費やしていたところで上手くなるわけがないですよね。
ちょっと極端な話ではありますが…
ちなみにこの高校
進学校と言われる学校です。
理屈きりでもいけないし、闇雲に練習してもダメ
理論は後から、分析して考えられたものですが、昔々の先輩たちが遺してくれた地図のようなもの。
地図なしには目的地には辿り着けません。
まあ和声などは指揮者がわかっていれば、必ずしも奏者がわかっていなくてもよいことはたくさんあります。
そのために指揮者はいるのですから。
でも奏者が理論をわかっていたら、演奏の仕方はまるっきり変わります。
音楽に挑む意識が変わるからです。
その結果として、より高い時限の音楽が出来ます。
ただ逆にいくら理屈を覚えたところで、実際に楽曲と結びつけられなかったら、実践の場では何の役にも立たない絵に描いた餅となります。
そこも指揮者である指導者の出番なんですけどね。
バランスの問題だと思います。
音大を目指すわけでなければ、ガリガリ理論を勉強する必要もないですから、必要なことを必要な時に学べばよいと思います。
練習もただ長く意味なくやらない。
目的意識を持ってやることではないでしょうか。
何事もバランス
極端でなく、今出来ることを
真っ直ぐにやっていかれたらよいと思います。
こんな質問がくるのはう~ん、冬のオフシーズンだからでしょうね。
もしも夏のコンクールシーズンだったら、とにかく勝ちたいから、こんな言い訳せずに何でもやるんだろうなぁ…
ご質問いただいた彼の学校もきっと進学校なんでしょうね。
でもテストに出るわけでもないし、音大を目指すわけでもないだろうに…
練習時間が取れない冬場だから理論ばかりやってるのかもしれませんね。
それもいいですが、前のブログで書いたように練習するのなら、冬場はトレーニングして、技術面のレベルアップしておきましょう。
種を撒いておけば、それが暖かくなった頃にきっと芽を出します。
ってもう立春だなぁ…
早いものですね。
ほっておいたら、もう直に新入生きますね。
たくさん新入部員が来てもらえるように
後輩に尊敬してもらえるように
自身を鍛えておいてください。
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