皆さん
こんにちは。
吹奏楽コンクールの自由曲の選曲のご質問をよくいただくのですが、気になることがあります。
よくある質問なんですけれど、
①トランペット🎺にソロのある曲、教えてください。
???
吹奏楽コンクールって個人コンクールでしたっけ???
あなたが目立てば他の人は関係ないの?
それおかしくないですか?
審査員が聴いているのは全体のサウンドの美しさです。
ソロが上手いことは確かに良いことです。
でも他のパートがヘボいようではとても代表にはなりませんし、金賞もいただけません。
全体が上手くてこそ、ソロが生きるのです❗
吹奏楽の選曲の難しさでもあるのですが、生徒たちの自主性とかなんとか一見すると格好よいことのようですが、生徒ってお馬鹿なんで自分のパートや自分の周りのパートのことしか考えられないのです。
トランペットの生徒はせいぜい金管のことまでは考えられても木管のことや打楽器のことは考えてないことが多いです。
そこまで頭が回る生徒さんのいる吹奏楽部は素晴らしい力のある吹奏楽部のはず。
でも現実にはそこまで頭が回る生徒はまずいません。
自分もかつてそうでした。
自分が好きだからとクラシックのアレンジを提案したら打楽器がティンパニしかなかった。
これ社会人バンドでもあるんです。
かつて金管メンバーが高校生の頃に吹いた曲をやりたくて選んだけれど、初心者の多い木管にはとても難しくて、手の施しようがなかった。😱😱😱
指揮者として呼ばれた社会人バンドでこれありまして、思わず「曲変えません?」
「せめて演奏順を変えません?」と提案したのですが、やりたい気持ちがはやるあまり結局、変更せずにそのまま。
仕方ないので恥ずかしくない形にするためにしごいたら、2度とそこからは呼ばれなくなってしまいました。(笑)
社会人バンドの皆さんには是非、お客様のことも考えて欲しいものです。
②「トランペットが目立たない曲ありますか?」
逆に金管が下手くそだから、目立たない曲ありますか?という質問
これもおかしな話です。
審査員をなめるな‼️😒💢💢
選曲で誤魔化したところで審査員がそのバンドの欠点・弱点に気がつかないわけはありません。
だいたいトランペットって吹奏楽で最も重要ですよ。
吹奏楽って木管もあるので英語では正式にはウィンドアンサンブルとかウィンドオーケストラとなるのですが、一般の方は未だにブラスバンドだと思ってますよね。
ブラスってのは真鍮のこと。
つまり金管バンドですよ。
まあそれだけ吹奏楽って金管のイメージが強いとも言えるんです。
なのに金管の目立たない曲???
あるわけないと思った方がいいです。
そもそも弱点を見せないようにするのではなくて、コンクールの曲は1年間で一番練習する曲ですから、せっかくなので技術向上もある程度、狙って欲しいのです‼️
今、出来る曲を自由曲にしてしまうとコンクールの頃には飽き飽きしてます。
その辺の見極めも①と同じく生徒には無理です‼️
③自由曲候補を探してますがグレード3くらいでありますか?
これもまたおかしな話です。
グレードってのは実は出版社で全く違います。
出版社が勝手に付けてるもので何か公式な決まりごとがあるわけではないのです❗
たいていは
・♯や♭の数が多ければ多いほどグレードは上
・細かい音符が多ければ多いほどグレードは上
・音域が広ければ広いほどグレードは上
となってます。
それから出版社の方が吹いてみて付けたわけでもなくて、テキトーに付けてるんですよ。
例えば、
♯1つより♭3つの方が難しいと普通は思いますよね?
ところが吹奏楽で使う楽器のほとんどは♭系が得意なんです‼️
♯系はフルート以外は苦手
だから、♭3つよりも♯1つの方が実は難しいのです。
吹奏楽でよく鳴る調性は
・Es-durかB-dur
変ホ長調か変ロ長調なんです。
あとせいぜいF-dur(ヘ長調)
あれ?短調がないぞ?
そうなんです。
実は吹奏楽の楽器というより日本人には短調の曲は難しいんですね。
だから普段から音階練習とか練習曲で短調に取り組んでいないと鳴らないんです。
つまりグレードが高ければ難しいとは限らないし、逆もあります。
音域が広いと言っても曲のほんの一部に高い音や極端に低い音があるだけならそれほどでもないですよね。
バーンハウスあたりのグレード3はデ・ハスケだとグレード2くらい。
デ・ハスケのグレード4はバーンハウスだとグレード5
になっちゃうこともあります。
バーンハウスとかデ・ハスケっていうのは出版社の名前です。
あと同じグレードでも吹奏楽オリジナルの方がクラシックのアレンジより比較的、難しくないし、日本人作曲家の作品はたいてい難しいですね。
だから、グレードってあんまりあてにならないんですよ。
意味ないと思います。
④CDなどの参考音源
サンプルCDとか楽器店で無料でくれますが、とても大きな問題なんですけれど、
「聴いてみて良い曲」と
「やってみて良い曲」は
全く違います❗
これ大きな落とし穴なんです。
中学生あたりの子が聴いてみてカッコいいからやってみたい。
たいてい難し過ぎて歯が立たなくて挫折します。
そうして消化不良のまま、コンクールに出てくる学校が残念ながら、何校かあるんです。
なので選曲は
生徒だけでやらないこと。
文化祭の選曲ならいいのですが、コンクールの自由曲については必ず先生に相談して欲しいのです。
それがたとえピアノや声楽がご専門の先生だったとしてもです。
先生方は出来たら、ご自身で生徒たちの能力や特性、コンクールの様子などを勘案して3~5曲程度、候補を出してあげて欲しいのです。
それはプロである先生の仕事です。
どうしてもお困りの時は是非、私にご相談ください。
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