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菅井秀樹

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執筆者の写真菅井秀樹

減点法ではない吹奏楽コンクール

更新日:2019年7月22日

夏のコンクールでの話ですが、アンサンブルコンテストでもほぼ同じなので、書いておきます。



コンクールやコンテストが近くなると質問サイトで吹奏楽部の中高生がたくさん質問をしています。


その中で特に気になったのが、

「マレットを落としたら減点されますか?」

「チューニングの管を演奏中に調整してたら減点されますか?」

「コントラバスのボーイング(運弓)は減点されますか?」

「リードミスは減点されますか?」



ひどいときはリードミスは 「何回までOKですか?」

もっとひどいときは 「髪の毛は後ろでまとめてないと減点されますか?」

「スカートの中が見えちゃったら、減点されますか?」 (先輩たちが言ってました。みたいな)



オイオイ…(-_-;)

いったいなんのコンクールなんだ???



結論から言うと

『どれも減点されません』

そもそも吹奏楽コンクールの審査は減点法ではないです。

といっても加点法でもないです。



一番近い評価方法としては学校の成績の付け方でしょうか。

昔は「相対評価」といって、1クラス35人を一定の割合で5段階で評価しましたが、今では各教科で目標を設定し、目標への到達度を5段階で評価する「絶対評価」に変わっています。

全日本吹奏楽コンクールの審査はこの絶対評価に近いですね。


支部や都道府県に細かな違いはありますが、

課題曲と自由曲それぞれに点数を付けます。 審査項目がわりと大雑把です。

各審査員がアーティキュレーションとかフレージングなどを考慮して審査するとなっています。



長野県の中学校の部の審査方法ですが、 合計(40点満点)で審査します。

長野県の地区大会は審査員は5人

県大会が7人

他県などでは10人いるところもあると聞いたことがあります。



更に上下カットと言って、審査員全員の点数のうち、 スキージャンプやシンクロナイズドスイミングのように 1つの学校に付けられた点数のうち、一番高い点数と一番低い点数をカットした合計を出します。



例えば、5人だと

審査員A35点

審査員B30点

審査員C33点

審査員D38点

審査員E35点

と付けてきたとします。



そうすると上下カットをするので、この中で、一番高い点数の審査員D38点と

一番低い点数の審査員B30点は

カットされます。


残りの審査員Aと審査員C、審査員Eの点数の合計103点がその学校の点数となります。

そのように出場校全てのその上下カットした合計点数を順番で並べて、おおよそ3対4対3の割合で金・銀・銅を出します。


代表の選出は金賞受賞校から審査員全員の投票により、あらかじめ決められた数を選出します。

(代表校数は各県の部門ごと参加校数を支部事務局に報告すると全体の参加校数の割合から部門ごとに算出されます。)


点数の規準は各審査員に委ねられています。

それぞれの審査員にはその人なりのものさしがあります。


なので学校の成績をつける絶対評価に近いのですが、評価の根拠となる目標と目標への到達度が審査員それぞれで違っています。



ですが、各審査員ともにだいたい揃うので大きく違うことはあまりないです。

時々、飛び抜けた点数を付ける審査員もいることはあります。


でも、仮に一人の審査員が特定の学校を高く(低く)評価しようとしても 上下カットにより、極端な点数を付けても審査に影響しないようにしています。



※審査方法については各県の事務局から送られてくる「コンクール開催要項」に記載されています。 顧問の先生がお持ちのハズですから、見せてもらってください。



マレットを落とす行為とか音楽に関係のない音が出るような行為は確かに誉められた行為ではなく、間違いなくプラスにはなりませんが、印象が悪くなるだけで、減点とかされるわけではないです。



まあ印象が悪いと全体の点数も控えめにはなるでしょうけれど…


クラリネットやサックスのリードミスもそうですが、地区大会や県大会レベルでは1回程度ではそれほど問題になりません。


連発してるとさすがに講評には書かれます。

ソロのミスも同様です。


表現をする上で思いきってやろうとしてリードミスをしたとか、マレットが飛んでいってしまったのならば、審査員は悪くは受けとりません。

音楽表現の延長の上で勢い余ってのミスはそれほど悪くとられることはないです。

音のないところで譜面台や楽器を倒したり、マレットを落としたりする単なる不注意によるミスは音楽性がないとか、神経を使ってないと思われることはあります。



何よりも審査員が聴いているのは全体のサウンドやバランスなどの調和です。

個々のパートの技術やミスよりもバンド全体のサウンドが大事なんですよ。



だから、髪の毛を後ろでまとめてようが、ストレートにしてようが

スカートの中が見えちゃうようなお色気作戦?をしようが、

なんてことは全く審査には関係ないのです。



実は講評書くのがわりと大変で忙しくて、ステージはそんなに細かく見られませんし、個々の奏者まで意識を向けられません。


審査員で「○○奏者」という方だとその楽器をよくチェックしたりしてることはあります。


事務局時代に審査員に配慮して講評のスペースをわざと小さくしたこともありました。それくらい講評を書くのは大変なんです。



これは私の審査員経験(地区大会)と上の大会で審査員をされた複数の方から、お聞きしたことです。



ミスはない方がよいけれど、全くミスのない演奏もあり得ません。



評価を気にして、ミスを怖がるよりも聴いていただける嬉しさやみんなと音楽をすることを楽しみながら、自分たちの演奏を思いきってやってください。



Muzizieren

(音楽する心)

を忘れずに…


音楽は心♥️

聴いてくださる方に皆さんの心を届けてくださいね。😃💕



皆さんの健闘をお祈りします❗👊😆🎵

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