【小学校6年生の男の子が勉強が手につかなかった理由】
一番最初の指導が春期講習の2コマ連続指導でした。
「勉強やりたくない」
第一声がこうでした。
私は「じゃあやめよう」と言って、テキスト閉じました。
そしたら彼はテキスト開くんですよ。
「やりたくないんだよね。やらなくていいよ。」と私はまたテキスト閉じました。
また彼がテキスト開くんですよ。(笑)
「だってやりたくないんでしょ?学校じゃないから無理にやらなくていいんだよ。」
「その代わり、やりたくない理由を教えて」
そう言うと彼が「小数のテストで2回0点を取ったことがあるから」と言うんですね。
更に話を聴いていくと母親からテストの点数や成績のことで怒られるのが嫌だったと言うか、恐怖だったようでした。
勉強する上で母親の顔色を伺っていて、そればかり気にしてたんですね。
「そりゃ2回も0点取っちゃって、怒られたんじゃ、勉強やりたくなくねるよね。普通だよ。」
彼は自分自身の学力向上のためではなくて、お母さんを喜ばせたくて、お母さんに怒られたくなくて
【お母さんのために勉強やってたワケです。】
もう目的が違っちゃってたんですよ。
じっくり1コマ80分使って話を聴きました。
私はカウンセラーでもあるので、頭のスイッチ切り替えて、聞き役に徹してたら、よく話してくれたんですね。
それで2コマ目
「2時間目どうする?」って訊いたら、勉強やると言うのです。
「出来そうなところ、やりたいところでいいよ。」と私が言うと分数やると言うんです。
黙って見てたら、もうめちゃくちゃ集中して問題解くんですよ。
しかも分数の足し算・引き算、かけ算・割り算、完璧なんですよ。
これ驚きましたね。
小学校は分数と小数の計算でつまずく子どもさんがとても多いんですよ。
それが中学校でもかなり影響してくるんですね。
私が教員時代に2回目に受け持ったクラスの生徒たちですが、小学校でちょうど分数・小数習う時期にクラスが荒れたそうなんです。
最初のクラスは平均点が常に学年ナンバーワンでした。(これもいろいろあったんですけど)
この2回目に受け持ったクラスは平均点が学年最下位を常にキープ
どうも小学校時代のクラスの荒れが影響してました。
1人の女子生徒が「先生、私、ひっ算がわからない。」と深刻な表情で相談してきました。
それで放課後にこの子と教室で勉強することにしたんですね。
(これも長くなっちゃうから、またの機会に)
子どもたちの心が荒れるということはそれほどまでに影響します。
中1でもひっ算が出来ないという生徒さんがいるんです。
分数・小数が出来ない中学生はもっといます。
ですから、その小学校6年の男の子が問題パーフェクトなんで驚いたワケです。
しかも塾のテキスト、めちゃくちゃレベル高い難しい問題なんですよ~‼️
この子は多分クラスで1番か2番くらいに勉強出来るんじゃないのかな⁉️
そう思いました。
(母親のせいで)
自己肯定感がめちゃくちゃ低いのもわかったのでそれからというもの、とにかく誉めました。
レギュラーでも受け持つことになったんですが、毎回、最初の10分ほどは学校のこと、家でのこと、興味あること等、話を聴きました。
10分、話を聴くと本人がやると決めて、残り70分集中してやるんですよ。
しかもめちゃくちゃ出来ちゃう‼️
私は採点して、誉めてるだけでした。
ある時、お父さんがお迎えに来られて、
「あなたが菅井先生ですか?教え方が上手だって聴いてます。」
話を聴いて、見てるだけで、終わったら、でっかく⭕付けて、❌はちっちゃく付けて、めちゃくちゃ誉めてるだけで、な~んにも教えてないんですけどね。😅
やる気になった子は側で見てるだけでいいんです。
本当は勉強したいんですね。
勉強という言葉もよくないですね。
子どもたちは本来、変わりたい‼️、成長したい‼️
だから知りたい、わかりたい、出来るようになりたいと思っています。
母親が数字だけを見てダメにしてました。
その後また暗い顔してたことがあったので、話を聴いたら、学校のテストで100点💯取ったと意気揚々として家に帰ったんだけど、母親は誉めずに「次も頑張れ!」と言ったんだそうです。
本人からしたら、42.195キロ走って1着ゴールしてヘトヘトなのに更にもう42.195キロ走れって言われたようなもんなんですよ。
ため息ついてました。😞💨
数字じゃなくて、具体的な姿を誉めてあげて欲しいのです。
その後も小数の計算になると身体強ばってるのが見てとれました。
もうトラウマになってました。
それでもいつかやらねばと彼は頑張ってやってましたね。
スピードは落ちましたが出来は悪くなかったです。
小数の計算が出来ない(出来ないと思い込みがある)のは完全にメンタルの問題でした。
寄り添って、見守るだけで子どもは頑張れちゃうんです。
小学校4年の女の子もそうでした。
勝手に学力伸びちゃいました。
先生の指導なんてのはもしかしたら、ほんのちょっとでよいのかもしれません。
私も日々、子どもたちから学ばせてもらっています。
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菅井秀樹
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