https://togetter.com/li/1361774
こんなのを見つけました。
カットにしても改編にしても合唱ではあり得ない行為ですね。
見たことも聴いたこともないです。
まあ合唱曲は短いし、4パートしかないことがほとんどですから、変える必要がないのと変えようがないからだと思います。
ところが吹奏楽だとわりと繁茂に楽曲をカットして編集したり、音符を変えてしまったり、指定されている楽器と違う楽器で演奏したり、ない音を付け足したり、酷いと和音を変えちゃったりとかやってるんですよ。
まあリンク先は事情が異なるカットと改編を一緒に論じてるので…😅
ちょっと違うかなぁとは思いました。
吹奏楽コンクールでは課題曲を含めた演奏時間が 12分以内という規定があります。
課題曲が3分半~4分程度なので、自由曲は8分以内のものにしなくてはなりません。
確かに規定上やむを得ないとはいえ、作品を損ねる行為だと思います。
私はカットが好きではなかったので、山辺中学校から茅野市立東部中学校までの14回の吹奏楽コンクール出場で東部中学校での2回しかカットしたことがありません。
カットせずに済むなら、しない方がいいと思うからです。
最近では多くの作曲家がコンクールを意識して作曲しているため、8分以内で収まるよう曲を書いていることが多いです。
私が2回やったカットですが、作曲家本人にご相談して、ご本人に考えていただきました。
でもコンクール本番ではその楽曲を演奏したことがある審査員に講評であのカットはおかしいと書かれましたね。😅
基本的には時間に収まる楽曲を選ぶべきだと思うし、組曲等をやればよいかと私は考えています。
では「改編」は?
全国大会に出場するような学校など、わりと力のある指導者がいる学校で改編が行われているように思います。
と言うのは失礼ながら吹奏楽をよく知らない、わかっておられない声楽科やピアノ科出身の音楽の先生だと楽曲をどうしてよいか、わからないという方がほとんどですから、逆に手を入れたりしない、出来ないのです。
ひどい場合、強豪校は当たり前のように作品を変えてしまっています。
指定されている楽器を別の楽器にしてしまったり、楽譜にない楽器を加えたり、楽譜にない音を足したり。
課題曲では規定違反で「失格」となります。
なぜそれが行われるかというと
ハッキリ言って、「コンクールで勝つため」
です。
審査員が一番聴いているのは
「サウンドの美しさ」なんです。
だから、バンド全体がよく鳴ってるように聴こえるために手を入れたりするワケです。
これがグレン・ミラーとかベニー・グッドマンなどのジャズのビッグバンドなら当たり前と言えば当たり前なんですけど…
吹奏楽ってアメリカで盛んなのでどうもアメリカ的な考え方が主流になってしまうところはあります。
日本の吹奏楽だとどうしてもコンクールが大きい影響を与えてしまいます。
実は自由曲のみならず、課題曲にも若干手を入れる指導者がいます。
これは課題曲のオーケストレーションに問題があることが多いからです。
なぜ課題曲でも?
近年はプロの作曲家が課題曲を書かなくなり、学生やアマチュアの作曲家、プロを志す作曲家が登竜門として応募してくるからに他なりません。
まだそれらの方々に吹奏楽指導経験があれば、酷いオーケストレーションにはならないのですが、近年はパソコンで作曲出来てしまうため、指導経験がなくても、実際に演奏してみなくても楽曲を作曲出来てしまうから、酷いオーケストレーションになってしまうことが多々あります。
作品より良くするために作曲家の意図を強化するための若干の付け加え、変更については私はアリだと思います。
ただその場合でも
「作品への深い理解・共感」
そして何よりも「作曲家へのリスペクト」
が必ずなくてはならないと思います。
ところが学校現場だと演奏者が中高生ですから、技術が未熟であることがほとんどです。
酷い場合には16分音符の連符が吹けないから、8分音符へ変更とか。
高い音が出ないから、音を変えちゃうとか。
本来はアルトサックスのソロで書いてあるのに下手くそだからフルートに変えちゃうとか。
(Y先生やってたなぁ…😅)
ちょっとそれは…
という変更が行われています。
ちょっとこれは大問題!!
失格にすべき事案だと思います。
審査員も吹奏楽指導者であることがほとんどですから、作品を強化する方向の変更・付け足しであれば、審査していても気がつかなくて、後から他の審査員や役員に指摘されて、
「そうだった?」なんてのはよく聞きます。
もしくはその審査員の方、ご自身も
「オレでもそうするよなぁ…」と考えて、あえて指摘したりしないものなんです。
しかし、勝つために作品を歪めてしまうのは大問題ですね。
なんだか吹奏楽コンクールが音楽をダメにしてるような気がしてなりません。
もはや音楽ではなく競技でしかないです。
演奏も作品も歪んだものであってはならないと思います。
「音楽する心」を忘れないために…
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