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菅井秀樹

オフィシャルブログ   

 

執筆者の写真菅井秀樹

丁寧につくろうとこじまりした音楽になってはいないか?

皆さん、こんばんは🌙😃❗


先月半ばから、10日間、仏教の発祥の地であるインド・ブッダガヤの学校へ日本の歌を教えに行っていたので、久しぶりのブログです。


今日は一期一会の演奏会ということで、その場で集まったメンバーで初見練習、演奏しました。


そこで感じたのですが、吹奏楽経験者の皆さん

特に長野市の方


丁寧に演奏しようとするあまり、こじまりしている気がしました。


人数そのものが少なかったのですが、あのメンバーならば、今日の三倍の音量は出るはずなんです。


日本の吹奏楽の歴史の中でとにかく大音量で鳴らせば、コンクールで金賞という爆演が流行ったことがありました。


私が教員になった頃から、ラヴェルやドビュッシーの楽曲のアレンジをコンクールで演奏する学校が出てきてから、軍楽隊がルーツの吹奏楽もかなり美しいサウンドで音楽的な演奏をする学校が増えたものです。


昔の爆演〰️💣💥のイメージが強いためか、たま~に「吹奏楽は音楽ではない」とか

「吹奏楽はクラシックとは認めない」と仰る方がおられます。


ストラヴィンスキーの「🎵春の祭典」のように上品なだけがクラシックではありません。



さて本題


どうも印象派のオーケストラの曲を取り上げるようになったこともあり、中学校や高校では上品なサウンドにしていこうとする指導者が増えたような気がします。


けして間違ったことではないし、むしろ素晴らしいのですが、ただ楽器を初めて🔰持って、吹くようになって、まだ日も浅い生徒さんにまで、綺麗な音で吹かせようとするのは良くないと思います。


特に音大の声楽科やピアノ科出身の先生たちは汚い音が大嫌いなこともあって、最初から音を抑えて抑えてという傾向がみられます。


中学生辺りはまだ身体がキチンと出来てない上に緊張しやすくて呼吸も浅いです。


しっかりした呼吸が出来てないのに楽器に息を入れたらどうでしょう?


それからコンクール偏重のあまり基礎練習もそこそこにコンクールの楽曲に取り組んでしまいます。


最近よくビックリするのはロングトーンでの音階練習をキチンとやっていない学校の生徒さんたちがとても多いこと。


以前のブログにも書きましたが、ロングトーンでの音階練習は何かと良いことづくめなんです。


中でも息の使い方と楽器の鳴らし方が掴めること‼️


これは大変重要です。


確かに息がしっかり吸えてなくて、しかも楽器に息をしっかり入れられない状態で大きな音を要求したら、喉やアンブッシュアに余計な力がかかり、無理矢理、音を出してしまい、身体のどこかに負担がかかってしまいます。


「力任せに鳴らすこと」と

「豊かなサウンドをつくること」は

全くの別物です。


全国大会常連の高校で

N高校やA学園、H女子高校


上手いことには上手いのですが、どこかこじまりした音楽なんですね。


削って削って、抑えて抑えて美しさを作り出してる感じ。


ところがY工業工業


サウンドが美しいだけでなくて、めちゃくちゃ音がデカいんですよ。


それも物理的に何デシベル大きいとかってのではなくて、楽器が芯から鳴ってるんですね。


某テレビ番組の「吹奏楽の旅」でこの学校の特集やっていたのですが、一人で黙々とロングトーン練習してる場面が度々出てきました。


当時の顧問のM先生もロングトーン練習を勧めてました。


また某音楽大学のブラスオルケスターの指導していた先生も何かの機会で一緒にお食事させていただいたおりにロングトーン練習を勧めてました。


よく生徒には彫刻の話をしたものです。


彫刻を作るのに目的の像のサイズより必ず大きな原木を持ってこないといけません。


削る前の原木が小さいと作品の像は更に小さいものになります。


ならば、大きな像を作るにはより大きな原木が必要ですよね。


これで日本酒の大吟醸と似てますね。


日本酒の世界ではYK35という言葉があります。


Yは「山田錦」

お米の品種です。


Kは「9号酵母」のこと


35は「35%精米」のこと


つまり山田錦で9号酵母で35%精米したら、品評会で金賞の取れる日本酒が出来るというジンクス?です。


まあ実際には杜氏さんの腕が大きいし、いろんな環境や気候などの要素もあると思います。


35%精米ってことはコシヒカリより高価で育てにくいと言われる山田錦などの酒米の

65%の部分は捨ててしまうワケですよ。


半分以上は酒造りには使わない。


音楽における音量も同じことだと思います。


小さいところから抑えてしまったら、音楽はより小さくこじまりしたものにならざる得ません。


しっかり息が入り、楽器を芯から鳴らすことが出来ていたら、豊かなサウンドも支えのしっかりした弱音も出せるワケです。


力任せに吹いていてらダメですが、楽器が芯から鳴ってる状態がつくれる生徒さんなら、あとはそんなに難しいことではありません。


キチンと楽器がしっかり鳴ってる状態にして欲しいと思います。


豊かな息が豊かなサウンドを創ります。


余裕をつくりたいものですね。




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