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菅井秀樹

オフィシャルブログ   

 

執筆者の写真菅井秀樹

チューニングのコツ


最近、高校生に話を聴くとチューニングにえらく時間をかけてるとのこと。


我が家の近くの高校でも1時間近くチューニングしてるのが聴こえてくることがあります。


いったい何分かけてるんでしょう?


長い時間をかければ音が合うと思っているのかも???




多分、チューニングの仕方がわかってないんだと思います。



長い時間をかけてダラダラとチューニングしているとだんだん疲れてきて耳がバカになってしまい音の違いを聴き取れなくなります。


なのでチューニングは短時間であることが望ましいのです。




吹奏楽でのチューニングのコツについて今日は書きたいと思います。




☆チューニングのコツ(ポイント3つ)


(1)音を真っ直ぐ吹くこと。


(2)音の「うねり」を聴き取る。


ピッチの違いを聴き取れるように普段から耳を鍛えておくこと。


(3)なるべく短時間で済ますこと。



まずはチューニングする時の基本ですが、

(1)真っ直ぐ吹くこと


中高生によくありがちなのですが、しっかり楽器に息が入っていなくて、息が続かなかったり、下半身の支えがしっかりしていないため、音が揺れている状態ではチューニングはそもそも出来ません。


普段からロングトーンで楽器が鳴るようにする練習をちゃんとやっていないとこういうことになります。


つまり息の供給が安定していないからに他なりません。


以前のブログで書いたようにロングトーン練習が大事なのです。




私はホテルのチャペルで結婚式の聖歌隊もすることがあるのですが、ビブラートの強烈な方と組むと綺麗にハモらず苦労することがあります。


ビブラートがかかると色っぽくなるので、特に女性のソプラノあたりのソリストがかけると何とも言えない素晴らしい歌声に更に魅力が増すのです。


有名なプリマドンナ

マリア・カラス


だいぶ昔に亡くなられた歌手ですけれど、ものすごいビブラートをかけるため、もしも今の時代に音楽大学の声楽科を受験したら不合格になるだろうと言う方もおられるほど…




「ビブラート」っていうのは

「音の揺れ」です。


つまり音を細かな波にしているワケです。


理論的にはその「揺れ」であり波の「波形」が他の奏者と完全に一致すればピッチは合うのですが、そんなことをやれるのはもう神業に近いわけで…



だから、多くの合唱指導者がコーラス(合唱)ではなるべくビブラートをかけずに真っ直ぐ歌うように指導されます。



先日、音大声楽科卒の教え子のお父様と一緒に歌うことがありましたが、そのお父様も声楽を習っておられて、とても軟らかくて温かみのあるお声


真っ直ぐ声を出してくださるので、合唱あがりの私の声とよくハモるのでとても気持ちよく歌わせていただけました。

楽しかったです。


思わず「今度、デュオでもやりましょう!」と言ってしまいました。





さて本題に戻ります。


管楽器でビブラートをかけられるのはかなり上級者ですね。


アルトサックスのソロではビブラートかけられたら本当に素晴らしい❗


クラリネットは基本的にクラシックではビブラートはかけません。

ジャズではかけます。


例えばガーシュウィンの有名な曲

ラプソディー・イン・ブルーの冒頭はクラリネットによるグリッサンドの吹き上げがありますがビブラートをめちゃくちゃかけます。




本来はビブラートって自然とかかってしまうものなのですが、合奏においては合唱と同じように真っ直ぐ吹いて欲しいのです。




ビブラートをかけようと思っていなくても、

楽器に息が入っていなくて、息の供給が安定していない状態だと音は揺れてしまい波が出来てしまいます。


よく緊張するとこうなりやすいです。


この場合は本来の意味でのビブラートではなくて、緊張により発生してる音の揺れなので、「ちりめんビブラート」というのですが、指導者たちの間では

通称「ビビラート」なんて言ってます。


コンクールの本番などで緊張のあまり、びびって音が揺れる、震えるからです。(笑)


中高生が本番でびびるのはよくあります。

緊張でストレス過多になり、息が浅くなってるためです。




ストレスケアカウンセラーでもあるので、緊張下でも力を発揮する方法を教えに行きますよ。

ストレスケアのブログも読んでみてくださいね。




ビビラート、ちりめんビブラートになってしまうのはしっかり楽器に息が入っていない証拠です。


初心者はこうなります。


まずはロングトーンで真っ直ぐ吹けるように日々練習してください。


チューニングはそれからです。





次に

(2)音の「うねり」を聴き取れるようにすること。




ピッチが合ってない時は

「ワンワンワンワン」と波のように音がうねって聴こえます。


ピッチがピタリと合うと一本の線のように真っ直ぐ聴こえます。





◎「うねり」を聴き取るための訓練法


特別にこのブログを読んでくれたあなただけに私のとっておきの技をお伝えします。


ここだけの話ですよ~(笑)


ハーモニーディレクターで

まず平均律にしておいて、「ド」と「ソ」の音を同時に鳴らして、そのまま鳴らし続けてください。

(ボタンありますよね?)


そうすると「ワンワンワンワン」とハウリングみたいに波のように音がうねって聴こえるハズです。


鳴らし続けたままで純正律のボタンを押して純正律にしてください。


すると一本の線のように聴こえるハズです。


よくわからなかったら、平均律と純正律を交互に切り替えてみてください。


2つの違う音の5度音程ではありますが、同じ音をオクターブで鳴らすよりわかりやすいです。

まずは音の「うねり」を聴く練習として、わかりやすいかと思います。


次に実際に他の楽器とやってみてください。





◎チューニングの実際のやり方


他の楽器とチューニングするときのコツ


よくわからないときはチューニングの管を思いっきり抜いてください。


それから少しずつ入れていきます。

ミリ単位ですよ~❗


このときに「うねり」をちゃんと聴きながらやること。


全く合っていないと「うねり」の幅が大きく聴こえます。

合ったと勘違いしやすいので要注意です。


ピッチが近くなってくると「うねり」の幅が細かく小刻みになります。


合ったときは一本の線のように真っ直ぐ聴こえます。


よくわからない時はもう一回、ぐっとチューニング管を思いっきり抜いてやり直します。


入れるときは「少しずつ」

ミリ単位で

抜くときは大胆にぐっと「思いっきり」

これがコツ




(3)チューニングは短時間で済ますこと


1時間近くもチューニングに時間をかけてるのは時間の無駄です。


合わないように合わないようにワザワザやってるのと実は同じことなんです。


そもそも

(1)音を真っ直ぐ吹く

が出来てないのに合うわけがない。


疲れてきて息が続かなくなれば尚更、真っ直ぐ吹けません。


耳もだんだん疲れてきてバカになってしまい、判断つかなくなりやすいので、チューニングはなるべく短時間で行いましょう。



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