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菅井秀樹

オフィシャルブログ   

 

コンクールの自由曲を今からやるの?それより基礎練習が大事です❗

  • 執筆者の写真: 菅井秀樹
    菅井秀樹
  • 2018年12月26日
  • 読了時間: 5分

来年の夏の吹奏楽コンクールの自由曲にどれを選んだらいいですか?



という質問をよく見たり、聞いたりすることがあります。



その前にやるべきことがあるんじゃないの?


今から最低でも半年もの間、ずっと同じ曲やるの?


まあ時間をかけたら、自分達の今のレベルよりもずっと難しい楽曲も吹けるようになるかもしれません。

速いパッセージも吹けるようになるかも。



でも、私が地区大会レベルですけれど審査員を経験させていただいたこと。

事務局やっていたので上の大会で審査員をされるような有名な指導者の先生とお話ししていて感じたことなんですけれど、

「コンクールにおいて審査員は何を聴いているか?」

表現なんてほとんど聴いちゃくれていないんですよ。



よく

「リードミスしたら減点になりますか?」なんて質問あります。

前にブログで書きましたが、全日本吹奏楽コンクールの審査は減点法ではありません。


1回や2回のリードミスは気にしません。

音楽の延長で勢い余ってやってしまったミスは審査員は悪く取らないものです。


印象が悪くなるのは不注意によるミスですね。


これとても直接、減点になるのでなく、あくまでも全体の印象で評価し点数にしているので、他でカバーできればよいのです。



では審査員は何を聴いているかというと

「全体のサウンドの美しさ」

です。


ということは

厚みのある方がいいし、音は柔らかい方がいいし、美しい方がいいわけです。


具体的には


○個々の奏者が楽器を芯から鳴らせていること

力任せではなく自然な感じで鳴る。


○各楽器のバランス 低音が最も厚く、高音へいくほど、ピラミッド型の音型になるようにする。


○ピッチを揃える。

チューニング合うと個々の楽器どうしが共鳴し出すんですよ。

するとどうなるかと言うと「倍音」が鳴るんです。

「倍音」が鳴るようになると音に拡がりと厚みが出るんですよ。

「豊かな響き」になるんです。


この3つが出来ているところは「金賞」なんです。


あとはアーティキュレーションが揃うこと。

アーティキュレーション揃ってると県大会へは出られますね。



と言うことは

ぶっちゃけ

「曲は何をやってもいいんです❗」



まあコンクール向きの曲

評価しやすい曲(審査員受けのよい曲)

はあります。


あんまり簡単だとどうか?とは思いますが難しい曲なら良いというわけでもないのです。


「全体のサウンドが美しい」


上の3つの観点が優れてるバンドは基礎力が出来ているバンドなんです。



基礎には

○個人の技術的な基礎

○バンドの合奏する基礎

の2つがあります。


これらはコンクールシーズンでも課題曲と自由曲の練習をやりながらでも出来ないことはないのですが、特に個人の技能は全体練習の時間には出来ませんし、やるべきではありません。



全体練習の時間に個人の技能練習をやり出すと「吊し上げ」になってしまいます。


個人個人がキチンと時間を作ってやれたらやいのですが、全体練習でやることがただでさえ多いのが吹奏楽ですから、なかなか難しいものです。



となるとこのオフシーズンにやるべきなんですよ。


そうは言っても、ロングトーン練習や音階練習、バランス練習なんかの基礎トレーニングを延々と意味もなくやってもダメです。


「目的意識を持つこと。」


指導の経験上、簡単な曲をたくさんやるのも効果的でした。

生徒たちに「出来た❗」という達成感を持たせること。

小さいステップの積み重ねが自信になり、力になると思います。


それらはミュージックエイトのポップスだったり、スウェアリンジェンだったり。


これらをやっておくと自然にレパートリーが増えて、地域から演奏依頼を受けたときに困りません。


アンサンブルコンテストのチームごとの楽曲でも出来ます。

少人数アンサンブルで力を付けておくと夏のコンクールが楽ですね。


今から、半年も自由曲やってたら、厭きるでしょう。


指導者の方にコンクールでやらせたい候補があるのならば、それを演奏するためにどのような力が必要なのか、考えて洗い出して、それらを付けるための練習曲をやればよいのです。

計画的な指導ですね。



社会人バンドを指導した時に感じたことなんですけれど、自分たちが演奏したいという曲がめちゃくちゃレベルが高いのに全く技能が追いついてないんですね。


だから、このままだと消化不良になるだろうなぁと危惧しました。



また

「このメロディーから何を感じますか?」と質問してもちゃんと答えられる人はいませんでした。

何も感じておられないんですね。


楽譜のおたまじゃくしを追うので精一杯で

吹くのに必死なのかもしれません。


それって楽しいですか???


正直、中学校、高校でコンクールで勝つためのことばかりやってきて、吹奏楽はやっているけれど、音楽をやってないんです❗


指導者の方も「音楽する心」を教えていないんです。


これには参りました。

中高生にはこの時期は基礎を見直して欲しいと思います。


それから今の時期は練習時間も少ないので楽器を出してる時間もない日もありますよね。


仲間との信頼関係づくりも大事❗


一緒に遊んだりするのもいいでしょう。 


私は他校の練習見学に出かけたり、駅でみんなで足湯に入ったり、公園で遊んだり、焼き芋したりしました。


「友情を育てて欲しい。」



音と音のハーモニーの前に

「心と心のハーモニー」も創っていって欲しいのです。


それらに一番ウエイトを置いてやるのは夏のコンクールシーズンではなくて、今の時期ですよ~❗

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